通常総代会
通常総代会(つうじょうそうだいかい)は生活協同組合が毎年5月に開催する生協の最高議決機関。
概要[編集]
組合員は出資金を支払っており、生協に対して意見を伝える権利を有する。しかし、生協は全組合員の要望を聞くことができないことから、組合員の代表である「総代」を選出する必要がある。総代の役割は、組合員の意見を集約し、生協に伝えたり、生協の情報を組合員に届けたりするという双方向性である。総代や組合員に与えられている議決権及び選挙権は、法律に根拠をおいているものを除き、奪うことができない基本的な権利であり、その権利は出資金の多少にかかわらず一人一票である(このことを「一人一票主義」という)。生協法によれば、1000人以上の組合員を有する組合は100人以上の定数を設ける必要がある。 総代選出は、2025年度現在、北大生協では200人~400人の定数の中で、理事会により「学部生」「大学院生」「教職員」「生協職員その他」の4選挙区及びその選挙区の定数が定められており、その中から選ばれる。学部1年生は各クラス2名選出される。
500人以上の組合員を有する場合は、総会に代わる「総代会」の設置ができる。そのため、北大生協は総代会を設けている。総代会は大学生協の最高議決機関であり、通常総代会では、昨年度の事業結果や決算及び今年度の事業計画や予算の承認、役員選挙結果、役員報酬などを表決する。通常総代会は毎事業年度1回招集しなければならず、北大生協の事業年度は毎年3月1日から翌年2月末日であり、通常総代会は毎事業年度終了の日から3箇月以内に招集することになっている。ゆえに毎年5月末までに開催されている。通常総代会の招集を決定するのは「理事会」であり、招集者は原則「理事長」である(ただし、理事長やその職務を代行する理事がいないとき又は総代からの臨時総代会の招集に理事会が応じない場合は監事が招集する)。
総代会は総代の半数が出席しなければ開くことができない。ただ、ここでいう「出席」とは、実際に総代会に参加する「実出席(本人出席)」、賛否を示した書面議決書を事前に提出して、当日は会場には参加しない「書面出席」、総代が組合員の中から委任状を渡し、代理人を立てる「代理出席」(但し、代理できるのは総代2名まで)の3つのみが認められている。なお、オンライン出席は生協法や定款上認められていない。また総代会には総代以外にも、総代ではなくかつ総代の代理人でもない組合員(=オブザーバー)も参加でき、オブザーバーには総代会での議決権や選挙権は認められないものの、発言権は認められている。
なお、通常総代会とは別に「臨時総代会」というものも存在する。これは必要があるときに理事会の議決を経て招集したり、総代がその5分の1以上の同意を得て会議の目的である事項及び招集理由を記載した書面を提出して総代会の招集を請求した時は理事会がその請求から20日以内に招集したりする。
運営[編集]
北大生協の総代会の運営は北大生協の組織委員会の仕事である。
(1)資格審査 資格審査といっても顔パスで問題ない。ただし、代理人にあたっては委任状の提出を求めなければならない。 受付では、資格審査委員会が発行した「総代証(代理人証を兼ねる)」や「発言通告用紙」などが渡される。
(2)開会 総代総数の半数で総代会は成立するが、総代総数が定款の定める定数下限を下回る場合は、定数の下限の半数、つまり100名で成立する。 総代会運営規約に基づき、理事が成立状況を報告して開会を宣言する。 総代会に諮って総代の中から議長を選任し、議長が議事を進行する。議長は書記・議事運営委員を指名する。
なお、議長は原則として(実)出席した総代の中からその都度選任しなければならない。これは「常務理事を議長とする」などといった常任議長を設けないということである。議長は総代会の秩序を保ち円滑に運営する職責と権限を有する。また議長は総代として総代会の議決に加わる権利を有しない。これは、可否同数の際に専決権を有するからであると解されている。議長が他の総代の代理人である場合にも議決権の行使を認めない。
(3)総代会で議決できる事項の範囲 総代会提出議案及び書類は、監事が事前に調査しなければならない。また総代会当日には、専務理事や監事会議長から事業報告書・事業計画書、監査報告書などの説明を受ける。
総代会では次の事項を議決できる。これらは(ア)及び(ウ)を除き、出席総代の議決権の過半数で決する(普通議決)。 (ア)定款の変更 (イ)規約の設定、変更及び廃止 (ウ)解散及び合併 (エ)毎事業年度の予算及び事業計画の設定及び変更 (オ)出資一口の金額の減少 (カ)事業報告書及び決算関係書類 (キ)連合会及び他の団体への加入又は脱退
総代会で議決できる事項は招集の際に通知された議題に限定される。ただし定款により総代会の議決事項とされているものを除く事項であって軽微かつ緊急を要するものについては当日に議題を追加することができる(緊急動議)。また、付議された議案を修正提案することもできる(修正動議)。
また次の事項は、3分の2以上の多数で決しなければならない(特別議決)。 (ア)定款の変更 (イ)解散及び合併 (ウ)組合員の除名 (エ)事業の全部の譲渡 (オ)役員の任務懈怠責任を、職務を行うにつき善意かつ重過失がないときは法令の定める額を限度として免除すること
(4)質疑・討論 総代会の発言は議長の発言許可を得て行う。総代会における質疑・討論は、討論会ではなく理事会提案に対する総代会の意思を議決で明確にすることが最終目的である。
(5)採決 採決の前には、議長により議場を閉鎖する。出席総代の数を確定する。採決の方法は、北大生協では挙手制をとっており、「反対」「保留」「賛成」の3パターンで挙手をする。 なお、議決の可否は賛成者の出席総代に対する割合で決まるため、反対・保留・棄権も議決要件との関係では同じ機能を果たす。
(6)閉会 議長の職が解かれ、議運から環境委員会報告が行われる。
(7)懇親会 総代会の後は、懇親会が行われる。またその裏では、第1回理事会が行われる。 懇親会では、総代、生協職員や学生委員会と、ご飯を食べながら交流することができる。