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匿名質問サービスによって「北海道のお悔やみ欄に名前を載せてわかるようにしてほしい」という質問に対し、なかやま氏は「中山奏琉があるかどうか調べてくれ。札幌市東区な」と回答している。 | 匿名質問サービスによって「北海道のお悔やみ欄に名前を載せてわかるようにしてほしい」という質問に対し、なかやま氏は「中山奏琉があるかどうか調べてくれ。札幌市東区な」と回答している。 | ||
| − | + | 実際に2025年10月15日の北海道新聞のお悔やみ欄にて中山奏琉(かなる)氏(22歳)が10月12日付で亡くなった旨が記載されており、なかやま氏本人であろうと考えられる。成仏してクレメンス。 | |
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| + | 没後、新聞をはじめとした多くのメディアがなかやま氏をきっかけに寄付のブームが起きたことを記事にし、結果としてXの「なかやま」アカウントは中山奏琉氏本人であったことが明らかとされた。 | ||
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| − | 北海道新聞お悔やみ欄では、なかやま氏は[[オホーツク]] | + | 北海道新聞お悔やみ欄では、なかやま氏は[[オホーツク]]管内津別町出身の人で住所は札幌にあり、北見市の斎場で葬儀が営まれた<ref>津別町ではなく北見市で葬儀を行う背景として、人口の少ない津別町では葬儀社や斎場が僅少かつ大人数が参列すると予想される葬儀に対応できるキャパはなく、なかやま氏のように札幌の友人の多い故人の場合、札幌市からのアクセス良好かつ設備や宿泊施設の整っている隣町の北見市で葬儀が行われるケースが多い。</ref>という記述がなされている。これに関し、「なかやま氏は北見市出身(またはオホーツクの有力進学校である北見北斗高校出身)」等のXユーザーの憶測が見られた。また、死亡地である医療機関は後の北海道新聞報道で「札幌の北海道がんセンター」と判明したが、「直前に地元の病院に戻った」等、情報に尾鰭を付けて解釈するXユーザーも見られた。更に言えば、なかやま氏を現役北大生としているXユーザーのツイートが複数見られるが、なかやま氏のマシュマロには除籍を示唆する記述があり、死亡時に北大に籍があったかどうかも不明である。 |
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| + | == 新聞・テレビ報道 == | ||
| + | * [https://digital.asahi.com/articles/ASTBQ1SXYTBQULLI00XM.html 「『グエー死んだンゴ』8文字からの寄付の輪 遺族『がん研究進めば』,朝日新聞,2025年10月22日] | ||
| + | * [https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1227896/ 「両親も知らなかった『死んだンゴ』 がんで死去した津別の元北大生・中山さん最期の日々 がん研究機関への寄付急増」,北海道新聞,2025年10月22日] | ||
| + | * [https://www.jiji.com/sp/v8?id=202510cancernet-team 「『グエー』、臨終のユーモアがネット揺さぶる◆死の間際に投稿予約?がん研究機関に『香典』続々」,時事ドットコム,2025年10月22日] | ||
| + | * [https://www.hokkaido-np.co.jp/article/1228459/ 「病室は50人でぎゅうぎゅうだった がんで死去・津別の中山さん 『成仏してクレメンス』が広がる前から愛された」,北海道新聞,2025年10月23日] | ||
| + | * [https://news.web.nhk/newsweb/na/na-k10014964971000 「『グエー死んだンゴ』死後の投稿きっかけに数千件の寄付集まる」,NHKONE,2025年11月1日] | ||
| + | * [https://digital.asahi.com/articles/ASTCB11MKTCBULLI00BM.html 「死んだンゴ」予約投稿して逝った22歳 父が語る最期の〝らしさ〟,朝日新聞,2025年11月11日] | ||
| + | * 『情報ライブ ミヤネ屋』,読売テレビ,2025年11月14日 | ||
== 関連項目 == | == 関連項目 == | ||
* [[北大ツイッター界隈]] | * [[北大ツイッター界隈]] | ||
| + | * [[一般教育演習]]:癌に関する総論ゼミ「がんを学ぶ」が開講されている。 | ||
| + | * [[総合科目]]:癌に関する概論講義「がん・生命科学から社会科学へ」が、「健康と社会」カテゴリで開講されている。 | ||
| + | * [[ボーカロイド同好会]]:北大在学中に所属したサークルで、会長を歴任した。 | ||
== 外部リンク == | == 外部リンク == | ||
* [https://note.com/shiny_peony887 中山 - note] : 彼の闘病生活が綴られている。 | * [https://note.com/shiny_peony887 中山 - note] : 彼の闘病生活が綴られている。 | ||
| + | * [https://ja.wikipedia.org/wiki/%E4%B8%AD%E5%B1%B1%E5%A5%8F%E7%90%89] : Wikipediaによる中山奏琉氏の記事。 | ||
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| + | == 脚注 == | ||
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2025年11月14日 (金) 15:03時点における最新版
グエー死んだンゴ遺言事件(グエーしんだンゴゆいごんじけん)とは22歳で癌で亡くなった北大生がX(Twitter)の予約投稿機能によって死後に「グエー死んだンゴ」と投稿したとされる事件。
概要編集
2025年10月13日18時0分にユーザー名「なかやま」のXアカウントにて、友人によってなかやま氏の訃報が以下のように投稿された。
なかやまの友人です。 以前よりこのアカウントを預かっておりましたので、代理でご報告いたします。 10月12日の夜、なかやまは静かに息を引き取りました。 このアカウントは、当面の間そのままにしておく予定です。 生前、応援していただいた皆様に心より御礼申し上げます。 ありがとうございました。
ここまではたまに見られる訃報のお知らせであり、彼を知るユーザーからお悔やみの言葉などが送られていた。 しかしこの投稿のあと1日後、2025年10月14日20時0分に新たに以下のような投稿がなされた。
グエー死んだンゴ
このセリフ自体は5ちゃんねる(旧2ちゃんねる)の掲示板「なんでも実況J(なんJ)」における住人(投稿者の総称)とされる「やきうのお兄ちゃん」の語録(なんJ語)の一つであり、 ギャグの一種として死を表明する時に投稿されるセリフであった。
すなわちなかやま氏は自らの死をある種のネタとして扱ったのだと考えられる。 この投稿によって死してなおネタツイッタラーとして貫き通そうとしたのではないかという姿勢が大きな話題となり、 当該投稿は2025年10月20日時点で6万リポスト、73万いいね、2.5億インプレッションとなっている。
彼の姿勢に敬意を表し「グエー死んだンゴ」に対応するなんJ語「成仏してクレメンス」というリプライなどの反応が多数なされた。
なかやま氏の投稿がXを中心としたネット民の中で大きな話題となった結果、彼への香典と称し「国立がん研究センター基金」に寄付するものが現れ、一種のブームとなって寄付行為が相次いだ。
寄付したXユーザーの投稿によれば、国立がん研究センター基金から発行された寄付の受付番号が7500番台だったものが、その2日後には10500番台だとされるユーザーがいたとのことで、 短い期間に3000件近くもの寄付がなされたとされる。死後1週間が過ぎ初七日法要が行われたであろう2025年10月19時の昼、葬儀が行われた北見市上空に大きな虹が架かる写真付きツイートを、NHK旭川放送局の気象予報士が行った[1]。
このツイートに対し、虹はなかやま氏がXユーザーによる多数の寄付への返事として現れたものと解釈し、改めてなかやま氏を悼むリプライが多数寄せられた。背景 編集
なかやま氏は2023年10月にガンが発覚し、闘病生活を続けていた。彼のXアカウントおよびnoteにまとめられた記録には闘病の様子が綴られている。
死後の投稿はXの予約投稿機能を使ったものと見られており、死期を感じたなかやま氏自身が数日後の予約投稿を設定し、もし翌日も亡くなっていなければ予約投稿を解除、 新たに数日後の予約投稿をするといった操作を繰り返していたのではないかとあるXユーザーによって推察されていた。
匿名質問サービスによって「北海道のお悔やみ欄に名前を載せてわかるようにしてほしい」という質問に対し、なかやま氏は「中山奏琉があるかどうか調べてくれ。札幌市東区な」と回答している。
実際に2025年10月15日の北海道新聞のお悔やみ欄にて中山奏琉(かなる)氏(22歳)が10月12日付で亡くなった旨が記載されており、なかやま氏本人であろうと考えられる。成仏してクレメンス。
没後、新聞をはじめとした多くのメディアがなかやま氏をきっかけに寄付のブームが起きたことを記事にし、結果としてXの「なかやま」アカウントは中山奏琉氏本人であったことが明らかとされた。
問題点編集
北海道新聞お悔やみ欄では、なかやま氏はオホーツク管内津別町出身の人で住所は札幌にあり、北見市の斎場で葬儀が営まれた[2]という記述がなされている。これに関し、「なかやま氏は北見市出身(またはオホーツクの有力進学校である北見北斗高校出身)」等のXユーザーの憶測が見られた。また、死亡地である医療機関は後の北海道新聞報道で「札幌の北海道がんセンター」と判明したが、「直前に地元の病院に戻った」等、情報に尾鰭を付けて解釈するXユーザーも見られた。更に言えば、なかやま氏を現役北大生としているXユーザーのツイートが複数見られるが、なかやま氏のマシュマロには除籍を示唆する記述があり、死亡時に北大に籍があったかどうかも不明である。
新聞・テレビ報道編集
- 「『グエー死んだンゴ』8文字からの寄付の輪 遺族『がん研究進めば』,朝日新聞,2025年10月22日
- 「両親も知らなかった『死んだンゴ』 がんで死去した津別の元北大生・中山さん最期の日々 がん研究機関への寄付急増」,北海道新聞,2025年10月22日
- 「『グエー』、臨終のユーモアがネット揺さぶる◆死の間際に投稿予約?がん研究機関に『香典』続々」,時事ドットコム,2025年10月22日
- 「病室は50人でぎゅうぎゅうだった がんで死去・津別の中山さん 『成仏してクレメンス』が広がる前から愛された」,北海道新聞,2025年10月23日
- 「『グエー死んだンゴ』死後の投稿きっかけに数千件の寄付集まる」,NHKONE,2025年11月1日
- 「死んだンゴ」予約投稿して逝った22歳 父が語る最期の〝らしさ〟,朝日新聞,2025年11月11日
- 『情報ライブ ミヤネ屋』,読売テレビ,2025年11月14日
関連項目編集
- 北大ツイッター界隈
- 一般教育演習:癌に関する総論ゼミ「がんを学ぶ」が開講されている。
- 総合科目:癌に関する概論講義「がん・生命科学から社会科学へ」が、「健康と社会」カテゴリで開講されている。
- ボーカロイド同好会:北大在学中に所属したサークルで、会長を歴任した。
