差分
→概要: 内部追加
== 概要 ==
== 概要 ==
北海道大学に入学した学生は、学部未所属の[[総合教育部]]所属としてフレッシュマンイヤーを過ごす。その後、二年次以降の学部配属は成績の高い順に優先的に行われる。つまりこれは学部配属のための成績競争であり、その評価の基準となるのがこの'''「移行点」'''である。
ほとんどの文系学生([[総合文系]]所属以外)や[[医学部]]・[[歯学部]]・[[獣医学部]]、そして[[後期入試]]入学者と[[フロンティア入試]]入学者(旧[[AO入試]])は入学時点で学部がすでに決定しているため、とくに移行点を考慮する必要は無い。<ref>ただし後期入学者も農・工・水・薬学部では学科/コース分属の際に分属点と呼ばれる、実質的には移行点と変わらないものを参照するため成績を気にする必要がある。またAO・フロンティア入試での入学者は転部が認められていない。</ref>
卒業に必要な単位数は40~46単位であるものの、移行点の計算に用いられる単位数はそれより少ない。移行点計算に用いられるのは理系学生で38単位、文系学生と[[保健学科]]所属生で32単位である。
移行点に算入する科目は「〇〇科目から✕単位」というように枠が決められている(例:理系の場合「共通科目から4単位」)。それぞれの枠で'''成績が良い順に算入されていく'''ため、悪い成績を取っても同じ枠の他科目で良い成績を取れば悪い成績を帳消しにできる場合がある(これを「追い出す」と言う)。ただし、理系の場合[[化学]]Ⅰ・Ⅱは追い出し不可能である。<ref>令和4年度までは[[物理]]Ⅰ・Ⅱも固定となっていた。これにより高校で生物選択であった者達が多大なるハンデを持っていた。</ref>
抽選落ち・履修ミス等で取得単位数が埋まらなくても、移行点はその分を0点として計算するだけで、[[留年]]が確定するわけではない(32単位取れば進級は可能、卒業要件によっては教養棟通いとなる場合はある)。また、GPAとは異なり落単した科目の移行点は0点として計算される。
ちなみに、北大プライド高い学部ランキングと女子の多い学部ランキング(保健学科を除く)は移行点の高さとおおむね比例する。いくつか特徴的な学部学科を紹介して、移行点の特徴を解説しよう。
== 農学部 ==
== 農学部 ==
しかし、[[薬科学科]]の移行点が高いのは全く謎である。薬剤師になれるわけでもなく、研究者志望という訳でもないのに薬科学科に所属している多くの学生達。おそらく彼らのほとんどは、[[薬学科]]に行きたかったけど移行点が足りないため仕方なく、せめて薬学部に滑り込もうと考えたタピオカブーマーだろう。薬学科の恩恵に預かっているだけだ。
しかし、[[薬科学科]]の移行点が高いのは全く謎である。薬剤師になれるわけでもなく、研究者志望という訳でもないのに薬科学科に所属している多くの学生達。おそらく彼らのほとんどは、[[薬学科]]に行きたかったけど移行点が足りないため仕方なく、せめて薬学部に滑り込もうと考えたタピオカブーマーだろう。薬学科の恩恵に預かっているだけだ。
彼らに移行点マウントを取られたら「でもきみ薬科学科じゃん」と心の中でバカにしよう。
彼らに移行点マウントを取られたら「でもきみ薬科学科じゃん」と心の中でバカにしよう。<ref>安心してほしい。この記事の著者は薬科学科である。この私が保証するのだ。</ref>
== 工学部 ==
== 工学部 ==
*[[応用理工系学科]]
*[[応用理工系学科]]
応用化学コースの学生は自分が賢いことを鼻にかけていて、バカでもできる農学を蹴ってあえて応用化学コースに入ることをステータスだと思っている節がある。そして[[化学科|理学部化学科]]の連中を内心下に見ている。一方、応用物理コースは移行点が低い。一部の人にとっては研究内容は魅力的だが、電子素子について研究したいなら情エレの[[電気電子工学コース|電電]]の方がいいと思う。応用マテリアル工学コースは影が薄い。
* [[化学科]]
* [[化学科]]
2つの学科が合併した経緯があり定員が多いため、移行点は理学部最低クラス。[[全学教育科目]]の[[化学]]が(色んな意味で)優しくないのも原因らしい。
2つの学科が合併した経緯があり定員が多いため、移行点は理学部最低クラス。[[全学教育科目]]の[[化学]]が(色んな意味で)優しくないのも原因らしい。
その過酷さゆえ[[3K]]などと言われてるが、以前行われたカリキュラム変更のおかげで医歯薬系ほどの忙しさはなくなった。
'''理学部の割にかなり就職が強い。'''化学分野での実績・研究レベルにおいても、看板学部の農学部や薬学部、理学部高分子より高いようである。(まあノーベル賞受賞者も出しているし…)
'''いい意味でも悪い意味でも話題が多い。'''
* [[数学科]]
* [[数学科]]
毎年、[[化学科]]、[[物理学科]]、[[地球惑星科学科]]と理学部の最底移行点争いを演じている。だいたい最下位。卒論がない。不人気学部のイメージが強いが、近年は情報系ブームで密かに熱いかもしれない。
毎年、[[化学科]]、[[物理学科]]、[[地球惑星科学科]]と理学部の最底移行点争いを演じている。だいたい最下位。卒論がない。不人気学部のイメージが強いが、近年は情報系ブームで密かに熱いかもしれない。おそらく北大の中でも最高峰の、'''圧倒的な男子学生の割合'''を誇る。
* [[物理学科]]
* [[物理学科]]
長らく移行点の最底辺を這いつくばってきたが、近年の物理系ブームに乗ってぐんぐん移行点を伸ばしている要注意学科である。2024年には生物化学科と並んで'''理学部で最も移行点の高い学科となった。'''女子が少ない。定員が少ない。必修科目が少ないので結構自由がある。
長らく移行点の最底辺を這いつくばってきたが、近年の物理系ブームに乗ってぐんぐん移行点を伸ばしている要注意学科である。2024年には生物化学科と並んで'''理学部で最も移行点の高い学科となった。'''女子が少ない。定員が少ない。授業のほとんどに出席が無い。しかも必修科目が少ないのでかなり自由がある。
== 文系学部==
== 文系学部==
* [[文学部]]
* [[文学部]]
文系移行の最難関はおそらく文学部だろう。移行点は3.5以上欲しい。文学部は学部別入試でも偏差値が比較的高く、北大文系の中では最も人気学部と言えるかもしれない。理由は誰も分からない。その性質ゆえ真面目で勉強熱心な人が集まるが、一度移行してしまえばかなり暇らしい。
文系移行の最難関はおそらく文学部だろう。移行点は3.5以上欲しい。文学部は学部別入試でも偏差値が比較的高く、'''北大文系の中では最も人気学部と言えるかもしれない。'''理由は誰も分からない。その性質ゆえ真面目で勉強熱心な人が集まるが、一度移行してしまえばかなり暇らしい。
* [[経済学部]]
* [[経済学部]]
ヒマ経。暇。とりあえず移行点が低い。チャラ男から真面目クンまでいろいろな人がいる。就職はいいのでコスパ良しかも。意識の高い人もそれなりに存在する。内部は経済学科と経営学科に分かれており、経営学科の方がキラキラしているらしい。とりあえず移行点が低い。
* [[教育学部]]
* [[教育学部]]
移行点こそ低いが、やりたいことのない学生は決まって経済学部に流れるために雰囲気がいい。アットホームで小規模。そのため大学キャンパスでほとんど出会うことのない、'''隠れたレア学部'''である。
== 水産学部 ==
== 水産学部 ==
*片道約40分だが高価な飛行機
*片道約40分だが高価な飛行機
と、どれも微妙なのも問題か。('''新幹線はまだか?''') 「せめて小樽か石狩だったら…」と思う学生は少なくないだろう。
と、どれも微妙なのも問題か。('''新幹線はまだか?''') 「せめて小樽か苫小牧だったら…」と思う学生は少なくないだろう。
しかし、総合理系の学生の中には[[海洋生物科学科]]や[[増殖生命科学科]]を志望する人も一定数存在する。彼らは1年間のモラトリアムを有効活用して、水産学部の価値に気付けた真の総合理系生である。しかし本当のところ、水産学部は学部別入試を実施しているので最初からそっちで入学した方が楽なのは言うまでもない。
しかし、総合理系の学生の中には[[海洋生物科学科]]や[[増殖生命科学科]]を志望する人も一定数存在する。彼らは1年間のモラトリアムを有効活用して、水産学部の価値に気付けた真の総合理系生である。しかし本当のところ、水産学部は学部別入試を実施しているので最初からそっちで入学した方が楽なのは言うまでもない。
== 問題点 ==
== 問題点 ==
さて、いままで見てきたように移行点が低い学科の特徴はほぼ一緒である。水産学部はキャンパスが[[函館キャンパス|函館]]とかいう僻地にあるので低くなるのは当然として、その他の学科は、「数学を使う」or「何をやっているのかよくわからない」である。つまり実利的でないのである。
さて、いままで見てきたように移行点が低い学科の特徴はほぼ一緒である。水産学部はキャンパスが[[函館キャンパス|函館]]とかいう僻地にあるので低くなるのは当然として、その他の学科は、「忙しそう」or「数学を使う」or「何をやっているのかよくわからない」である。つまり努力のコスパが悪いのである。
というより、もっと言うと'''北大生は北大生'''なのでそのおつむを精一杯ひねっても、世界や人間を形づくる論理の探求に全くロマンを見いだせないのである。
北大は数物系の人気が軒並み低いが、そのことを嘆く記事が工学部の学科紹介雑誌に掲載された。その内容を少し引用しよう。
北大は数物系の人気が軒並み低いが、そのことを嘆く記事が工学部の学科紹介雑誌に掲載された。その内容を少し引用しよう。
「応物コース紹介哀史」(浅野康寛准教授):''総合入試が始まって10年近くが経ち、その光と影がはっきりしてきた。--数物の基礎科学系の学科が軒並み不人気にさらされ、特に応物人気の凋落は著しい。全国的にみて数物系が不人気というわけではないので、これが総合入試による北大のブランドイメージの帰結である。--数物系はあふれた学生の受け皿となる傾向が続いている。--全学教育の競争に疲れ、たいして興味のない学問を専攻するはめになった学生もまた、相当に気の毒である。実際、コース配属後に就学に苦労する学生の多いことがさらに不人気を助長する、という渦中に応物はいるのである。初めのころはコース紹介を盛り上げようとアイデアを出して展示やプレゼンも改善したし、院生の支援を受けてフレンドリーな雰囲気も作った。しかし、来場する学生数は緩やかな下り坂。'''「カンコ鳥でもいないよりマシ」'''状態となり、さらに負けが込んでくる。'''改善の意欲が失われ、熱心に質問してくれる学生の来場を素直に喜べなくなる。'''迎える笑顔がカタい。挙句の果てに、研究・教育内容の説明もウソくさくなる・・・。'''これが負のスパイラルである。イベントの手ごたえなど、感じられるはずもない。'''その一方、黙っていても学生がやってくる人気学科・学部の中には、コース紹介をしないところも出てきて、まさに総合入試の光と影である。'''マグマは溜まっている。応物教員にとって、コース紹介の担当は苦痛である。'''--来年?農学部応物コースで参戦の予定である。''
「応物コース紹介哀史」(浅野康寛准教授):''総合入試が始まって10年近くが経ち、その光と影がはっきりしてきた。--数物の基礎科学系の学科が軒並み不人気にさらされ、特に応物人気の凋落は著しい。全国的にみて数物系が不人気というわけではないので、これが総合入試による北大のブランドイメージの帰結である。--数物系はあふれた学生の受け皿となる傾向が続いている。--全学教育の競争に疲れ、たいして興味のない学問を専攻するはめになった学生もまた、相当に気の毒である。実際、コース配属後に就学に苦労する学生の多いことがさらに不人気を助長する、という渦中に応物はいるのである。初めのころはコース紹介を盛り上げようとアイデアを出して展示やプレゼンも改善したし、院生の支援を受けてフレンドリーな雰囲気も作った。しかし、来場する学生数は緩やかな下り坂。'''「カンコ鳥でもいないよりマシ」'''状態となり、さらに負けが込んでくる。'''改善の意欲が失われ、熱心に質問してくれる学生の来場を素直に喜べなくなる。'''迎える笑顔がカタい。挙句の果てに、研究・教育内容の説明もウソくさくなる...。'''これが負のスパイラルである。'''イベントの手ごたえなど、感じられるはずもない。その一方、黙っていても学生がやってくる人気学科・学部の中には、コース紹介をしないところも出てきて、'''まさに総合入試の光と影である。'''マグマは溜まっている。応物教員にとって、コース紹介の担当は苦痛である。--来年?農学部応物コースで参戦の予定である。
ちなみに、かつて[[北大生語辞典|3K]](化学科、看護学科、建築)の一角をなし人気が低迷していた建築都市コースは、2017年以降、意識高い人々によって正のスパイラルに乗りつつある。以前こそ移行点2.5台を叩き出す落ちこぼれ学科だったが、建築で自己表現をする人々(SNSにイラストレーターで作った自作の名刺を載せたりするような人)の出現が2017年に集中したことにより、移行点が上がり、その結果ブランドイメージが改善され、次の代も移行点が高くなるという現象が起きている。'''はっきり言って、移行点というのがその時世のトレンドに過ぎない事がよくわかる。'''
ちなみに、かつて[[北大生語辞典|3K]](化学科、看護学科、建築)の一角をなし人気が低迷していた建築都市コースは、2017年以降、意識高い人々によって正のスパイラルに乗りつつある。以前こそ移行点2.5台を叩き出す落ちこぼれ学科だったが、2017年にSNSでちょっとした建築ブームが発生したことにより、移行点が上がり、その結果学科のブランドイメージが改善され、次の代も移行点が高くなる…という現象が起きている。'''はっきり言って、移行点というのがその時世のトレンドに過ぎない事がよくわかる。'''
ミスマッチを防ぐ目的だとか何かあったらしいが、総合理系で1年間悩もうが、学部別入試で入ろうが、所詮ティーンエイジャーの判断。学部の本質や良さなんて分かるはずもない。実際に入って卒業しないことには何も語り得ないのだ。
大学1年の頃は「移行点が低い〇〇に入りたくない、〇〇は嫌だ、〇〇は馬鹿にされる、〇〇はレベル低い」というモチベーションで勉強を頑張るのも良いだろう。
大学1年の頃は「移行点が低い〇〇に入りたくない、〇〇は嫌だ、〇〇は馬鹿にされる、〇〇はレベル低い」というモチベーションで勉強を頑張るのも良いだろう。
しかし、ごくたまに大学3、4年にもなって言い続けているアホタレがいる。関わらないほうが良い。所詮同じ北大である。レベルに大差は無い。どうしてもやりたい研究があるなら別だが…(そんな学生は全体の1%にも満たないと思うが)。つまるところ、学部生活が充実するかどうかは、その後の本人次第である。
しかし、ごくたまに大学3、4年にもなって言い続けているアホタレがいる。関わらないほうが良い。所詮同じ北大である。レベルに大差は無い。どうしてもやりたい研究があるなら別だが…(そんな学生は全体の1%にも満たないと思う。)つまるところ、学部生活が充実するかどうかは、その後の本人次第である。
== 参考 ==
== 参考 ==
「北大 成績分布」で検索検索ぅ!
「北大 成績分布」で検索検索ぅ!
== 脚注 ==
<references/>
== 関連項目 ==
== 関連項目 ==
* [[学生生活で困ったとき]]
* [[学生生活で困ったとき]]
* [[留年]]
* [[留年]]
* [[移行点の推移]]
{{DEFAULTSORT:いこうてん}}
{{DEFAULTSORT:いこうてん}}
{{学部・学科}}
{{学部・学科}}
[[Category:制度]]
[[Category:制度]]
