液体窒素ぶちまけ事件
液体窒素ぶちまけ事件(えきたいちっそぶちまけじけん)は1992年に工学部で起きた死亡事故。助手であった教員と博士後期課程の学生が亡くなった。
概要編集
1992年8月10日に工学部応用物理学科の研究室で発生した事故。南極から採取した氷の試料を冷却装置に保管していたが、冷却装置が故障し、貴重な試料を溶かさないために研究室の助手と院生が実験室内に液体窒素をぶちまけ、その結果助手と院生が窒息により死亡した。
この事故以来、安全教育は徹底されるようになった。また、北大では年1回全学停電が実施され、この事故時と同様に冷却装置が使えなくなる事があるが、現在は大量のドライアイスを用いて冷却が行われている。
液体窒素はもちろんその低温による傷害も危険なのだが、最も注意しなくてはならないのは文字通り窒息。この事件のように、せいぜい0℃よりも少し低い程度の空間に液体窒素をぶちまければ急速に加熱されるために一斉に気化してしまう。さらによほどのこと換気手段に恵まれた空間でなければ、気化した窒素が充満してしまい逃げるのも困難である。
工学部安全の日編集
この事件を受けて工学部では「工学部安全の日」が定められた。安全の徹底により、工学部を事故の無い教育・研究の場とすることを誓っている。
類似事件編集
2024年2月7~8日、高知市の小学校4校で行われた科学の出前講座で液体窒素を体育館の床にまき、児童計33人が軽傷を負った。