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注;この記事は現在進行中の出来事について記載しています。本記事の内容は大幅に変更される場合があります。
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この項目では、2020~23年に流行した新型コロナウイルス感染症に関する北大への影響について述べる。
 
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この項目では、2020年に流行した新型コロナウイルス感染症に関する北大への影響について述べる。
      
== 北海道大学の行動指針(BCP) ==
 
== 北海道大学の行動指針(BCP) ==
* 4月16日に制定。当初はレベル2(制限中)となる。
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* 2020年4月16日に制定。当初はレベル2(制限中)となる。
* 4月20日、レベル3(制限大)に引き上げ。授業はオンラインのみで実施、課外活動の全面禁止、教職員は必要最低限の人数を除き在宅勤務となる。
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* 同4月20日、レベル3(制限大)に引き上げ。授業はオンラインのみで実施、課外活動の全面禁止、教職員は必要最低限の人数を除き在宅勤務となる。
* 6月1日、レベル2に引き下げ。
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* 同6月1日、レベル2に引き下げ。
* 7月10日、レベル1に引き下げ。研究活動や授業の規制は緩和されるものの、対面での課外活動の禁止は継続。
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* 同7月10日、レベル1に引き下げ。研究活動や授業の規制は緩和されるものの、対面での課外活動の禁止は継続。
* 11月18日、レベル2に引き上げ。
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* 同11月18日、レベル2に引き上げ。
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* 2021年5月14日、レベル3に引き上げ。
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* 同6月21日、レベル2に引き下げ。
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* 同8月26日、レベル3に引き上げ。
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* 同9月29日、レベル2に引き下げ。
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* 同10月29日、レベル1に引き下げ。
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* 2022年1月24日、レベル2に引き上げ。
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* 同3月29日、レベル1に引き下げ。
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* 2023年5月8日、レベル0に引き下げ。
    
== 行事等への影響 ==
 
== 行事等への影響 ==
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* [[卒業式]]の中止。
 
* [[卒業式]]の中止。
 
* こども研究所の中止。
 
* こども研究所の中止。
* 定年退官する教授の最終講義の殆どが中止。
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* 定年退官する教授の[[最終講義]]の殆どが中止。
    
=== 令和2年度 ===
 
=== 令和2年度 ===
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* [[北大マルシェ(イベント)]]の中止。
 
* [[北大マルシェ(イベント)]]の中止。
 
* 令和3年1~3月の受験生歓迎活動の全面禁止。
 
* 令和3年1~3月の受験生歓迎活動の全面禁止。
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* 入学アルバムの制作中止。
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* [[フォトコンテスト]]の中止。(エア北大祭で実施されたフォトコンテストを除く)
    
※[[金葉祭]]は開催された。無予告で10月25日23:00に開催され、11月8日にオンライン大学祭として一般公開された。
 
※[[金葉祭]]は開催された。無予告で10月25日23:00に開催され、11月8日にオンライン大学祭として一般公開された。
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=== 令和3年度 ===
 
=== 令和3年度 ===
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* 体育会のクラスマッチ、駅伝大会の中止。
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* 北大祭、金葉祭のオンライン開催。
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* [[2020年東京五輪マラソン競技]]、及びテスト大会における入構制限。
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=== 令和4年度 ===
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* 体育会のクラスマッチ、駅伝大会の中止。
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* 北大祭の制限つき対面開催。
    
== 施設の営業内容変更 ==
 
== 施設の営業内容変更 ==
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* [[北大ランチ屋台]]の休止。
 
* [[北大ランチ屋台]]の休止。
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※学生の構内立ち入りはBCPレベル1~3下において制限されているが、学外者の構内の散策やジョギングは禁止されていない。
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※学生の構内立ち入りはBCPレベル1~3下において制限されている。令和3年5月までは学外者の構内の散策やジョギングは禁止されていなかったが、5月14日にレベル3に引き上げられたのを機に、学外者の入構制限が行われる。
    
※BCPレベル1引き下げ後は一部の施設を除き、感染拡大防止策を取った上で通常営業に戻っている。
 
※BCPレベル1引き下げ後は一部の施設を除き、感染拡大防止策を取った上で通常営業に戻っている。
    
=== 北大生協の営業内容変更 ===
 
=== 北大生協の営業内容変更 ===
多数の店舗で営業時間短縮や休業日を設けている。
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多数の店舗で営業時間短縮や休業日を設けていた。
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[[北食]]をはじめ北大生協運営の学食の閉鎖は行われないが、大学の許可を得て入構している学生・教職員以外の利用は不可、営業時間は大幅に短縮されている。座席の使用制限、メニューの絞り込み、会話の禁止、弁当の持ち込み禁止、ドレッシングの提供中止、給茶器の使用停止、滞在時間制限等の営業内容変更が行われる。ミールカードについては、令和2年度は実施されなくなり、生協電子マネーへの返金対応となる。
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[[北食]]をはじめ北大生協運営の学食の閉鎖は行われないが、大学の許可を得て入構している学生・教職員以外の利用は不可、営業時間は大幅に短縮されていた。アクリル板の設置、座席の使用制限、メニューの絞り込み、会話の禁止、弁当の持ち込み禁止、ドレッシングの提供中止、給茶器の使用停止、滞在時間制限等の営業内容変更が行われた。ミールカードについては、令和2年度は実施されなくなり、生協電子マネーへの返金対応となった。
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生協食堂が利用できない学生のため、北大生協管理マンションでの昼食の出張販売を7月末まで実施。支払いは生協電子マネーまたは現金となる。
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生協食堂が利用できない学生のため、北大生協管理マンションでの昼食の出張販売を7月末まで実施。支払いは生協電子マネーまたは現金であった。
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北食2階の特設会場での教科書の販売期間が各学部の授業開始日に合わせ延期。新入生の教科書購入方法は通販のみで生協店舗での購入は不可。上級生も、全学教養科目を履修する場合は教科書は通販購入となる。
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北食2階の特設会場での教科書の販売期間が各学部の授業開始日に合わせ延期。新入生の教科書購入方法は通販のみで生協店舗での購入は不可。上級生も、全学教養科目を履修する場合は教科書は通販購入となった。
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平時は学外者の生協の利用を認めているが、10月まで学外者の利用を禁止していた。11月に学外者の利用制限は解除されたが、学外者は組価の1割増しの来訪者価格を支払う。
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平時は学外者の生協の利用を認めているが、2020年10月まで学外者の利用を禁止していた。2020年11月に学外者の利用制限は解除されたが、学外者は組価の1割増しの来訪者価格を支払う。
    
北大生協教職員委員会はコロナ以前から機関紙を定期発行していたが、新たに北大生協[[学生委員会]]も月刊の機関紙発行を開始した。
 
北大生協教職員委員会はコロナ以前から機関紙を定期発行していたが、新たに北大生協[[学生委員会]]も月刊の機関紙発行を開始した。
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5月に開催された総代会は、1年生総代と学外団体総代を選出せず規模を縮小して開催された。
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2020年5月に開催された総代会は、1年生総代と学外団体総代を選出せず規模を縮小して開催された。
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2020年6月、北海道知事の要請に基づく「新北海道スタイル」安心宣言を発表した。
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6月、北海道知事の要請に基づく「新北海道スタイル」安心宣言を発表した。
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2021年2月24~25日、[[前期入試]]実施に伴い、[[クラーク会館]]の入館制限が行われ、保護者説明会に出席する受験生保護者及び関係者以外の入館は不可となった。期間中、最寄りの生協食堂は[[エンレイソウ]]内レストランであった。
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2023年3月13日、政府はマスクの着用は個人の判断に委ねる「脱マスク」政策をとったが、北大生協は引き続き店舗利用時のマスク着用を必須とした。
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2023年5月8日より、新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが5類に変更されたのを機に、学食における上述の規制の多くが撤廃され、コロナ禍前の営業にほぼ戻った。
    
== 講義への影響 ==
 
== 講義への影響 ==
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一方、学部専門科目は[[工学部]]や[[薬学部]]の実験科目、[[水産学部]][[函館キャンパス]]開講科目など、6月以降に対面授業を実施する学部がある。対面授業のため登校する場合、学部棟への入構に際し各学部で定めている入構ルールに従わなければならない。逆に医学部保健学科は実習の開講時期を2学期に変更したため、BCPレベルの引き下げによらず今学期の対面授業を行わない。
 
一方、学部専門科目は[[工学部]]や[[薬学部]]の実験科目、[[水産学部]][[函館キャンパス]]開講科目など、6月以降に対面授業を実施する学部がある。対面授業のため登校する場合、学部棟への入構に際し各学部で定めている入構ルールに従わなければならない。逆に医学部保健学科は実習の開講時期を2学期に変更したため、BCPレベルの引き下げによらず今学期の対面授業を行わない。
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=== 令和3年度の授業に向けて ===
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令和3年1月、「北海道大学における令和3年度の授業実施方針について」なる文書が発出された。
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令和2年10~11月のレベル1時の対応を踏襲している。また、同じ授業を同時配信授業・対面授業・オンデマンド授業の3つを組み合わせるハイフレックス授業を実施する方針である。
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本文書では、適切な課題量やフィードバックの配慮、学生同士がコミュニケーションを持つ機会への配慮、Zoomをクラス内交流の場として利用出来ること等が新たに明文化された。
    
== 新入生への影響 ==
 
== 新入生への影響 ==
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ラーニングサポート室には今年の新入生から課題過多の意見が多く寄せられ、これを受け授業課題に関する緊急アンケートを実施。結果報告書はラーニングサポート室のホームページに掲載されている。
 
ラーニングサポート室には今年の新入生から課題過多の意見が多く寄せられ、これを受け授業課題に関する緊急アンケートを実施。結果報告書はラーニングサポート室のホームページに掲載されている。
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学部移行に関するガイダンスは原則オンライン開催となった。例年より大学当局が提供する情報が少なく、[[武田塾チャンネル|武田塾新札幌校]]や一部の公認学生団体のTwitterアカウントで学部・学科紹介のツイートが行われている。
    
== 大学院入試への影響 ==
 
== 大学院入試への影響 ==
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長谷川副学長は、「生活行動に関する注意事項について」という文書を発布した。文書では、道外から札幌に来た後の2週間の自宅待機や、北大キャンパスへの通学の自粛等を学生に求めている。
 
長谷川副学長は、「生活行動に関する注意事項について」という文書を発布した。文書では、道外から札幌に来た後の2週間の自宅待機や、北大キャンパスへの通学の自粛等を学生に求めている。
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交響楽団の卒業演奏会の中止、落語研究会の卒業口演の2021年度への延期等、卒業生の最後の発表会の中止や延期を余儀なくされるサークルが続出した。4月に開催予定だったクラーク大サーカスの延期をはじめ、新年度早々に行われる筈だった活動は実施不可となった。
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[[交響楽団]]の卒業演奏会の中止、[[落語研究会]]の卒業口演の2021年度への延期等、卒業生の最後の発表会の中止や延期を余儀なくされるサークルが続出した。4月に開催予定だったクラーク大サーカスの延期をはじめ、新年度早々に行われる筈だった活動は実施不可となった。尚、落語研究会の2020年度の卒業口演は2021年度への延期も取りやめとなり、2023年10月8日に開催されることとなった。
    
BCPレベルが0に引き下げられる迄はオンライン以外の課外活動は不可であるから、最終学年次に何もできずに部活・サークル引退を余儀なくされる学部4年生が続出している。
 
BCPレベルが0に引き下げられる迄はオンライン以外の課外活動は不可であるから、最終学年次に何もできずに部活・サークル引退を余儀なくされる学部4年生が続出している。
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11月18日にレベル2に引き上げられ、再び課外活動全面禁止の措置が取られた。当日は各サークル一斉に「課外活動は中止になりました」ツイートをTwitter上で行った。中には恨み節を述べるサークルもあった。禁止期間中、交響楽団の定期演奏会や[[カーリングサークル]]の札幌予選が予定されているが、前者は中止を余儀なくされた。
 
11月18日にレベル2に引き上げられ、再び課外活動全面禁止の措置が取られた。当日は各サークル一斉に「課外活動は中止になりました」ツイートをTwitter上で行った。中には恨み節を述べるサークルもあった。禁止期間中、交響楽団の定期演奏会や[[カーリングサークル]]の札幌予選が予定されているが、前者は中止を余儀なくされた。
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課外活動禁止期間中、[[北大の地学系サークル]]の地球科学サークルGROUNDは構内で対面課外活動を行ったことが発覚、「メンバーに認識の甘い行動があり、当該メンバーを厳重注意した」と釈明した。同時に学務等に事実報告を行ったことも明かした。
      
[[北大新聞編集部]]は、Web新聞『THE MAINSTREET』にて11月30日付で「
 
[[北大新聞編集部]]は、Web新聞『THE MAINSTREET』にて11月30日付で「
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旧帝大7大学のうち、北大を除く6大学の大学祭実行委員会は連名で共同声明文を出し、学生文化の維持に向け学生に協力を求めた。北大祭全学実行委員会は当初この声明には加わらなかったが、後に声明に賛同した。
 
旧帝大7大学のうち、北大を除く6大学の大学祭実行委員会は連名で共同声明文を出し、学生文化の維持に向け学生に協力を求めた。北大祭全学実行委員会は当初この声明には加わらなかったが、後に声明に賛同した。
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『[[えるむ(広報誌)]]』2020年12月号は、馬術部のサークル紹介を除きコロナ特集号となった。
    
== 多彩な修学支援 ==
 
== 多彩な修学支援 ==
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ホームページに掲載されていないコロナ研究もある。例えば、人獣共通感染症リサーチセンターの高田教授は、次亜塩素酸水を用いてコロナ不活性化実験を実施。後日、NITE(製品評価技術基盤機構)は北大の研究結果を否定する研究発表を行った。これを受け北大は第2弾の研究発表をリリースし、研究発表の応酬合戦となっている。
 
ホームページに掲載されていないコロナ研究もある。例えば、人獣共通感染症リサーチセンターの高田教授は、次亜塩素酸水を用いてコロナ不活性化実験を実施。後日、NITE(製品評価技術基盤機構)は北大の研究結果を否定する研究発表を行った。これを受け北大は第2弾の研究発表をリリースし、研究発表の応酬合戦となっている。
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[[人獣共通感染症国際共同研究所]]、[[シオノギ創薬イノベーションセンター]]は北大のコロナ研究において大きな役割を担っている。
    
== No More Coronaプロジェクト ==
 
== No More Coronaプロジェクト ==
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* 北大病院は、医療崩壊防止のため「北大病院新型コロナウイルス安全安心基金」への寄附金の募集を開始した。
 
* 北大病院は、医療崩壊防止のため「北大病院新型コロナウイルス安全安心基金」への寄附金の募集を開始した。
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== レベル0への引き下げとコロナ対応の終了 ==
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2023年5月8日、国は新型コロナウイルス感染症を5類相当に引き下げたのを機に、北大でもレベル1からレベル0に即日引き下げたのと同時に、教職員や学生に課していた様々な制限を撤廃した。
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コロナという病気そのものは終わったわけではないが、3年以上に渡る北大での平常時とは異なるコロナ対応は、附属図書館の学外者の利用制限や北大祭の来場人数制限など一部を除き終了した。
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[[Category:事件]]
 
[[Category:事件]]
 
[[Category:2020年のできごと]]
 
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[[Category:終了したもの・サービス]]
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